国土交通省と、厚生労働省が所管する「高齢者住まい法」に基づき造られた高齢者単身や夫婦世帯向けの賃貸住宅です
法令を満たしていれば運営は事業者の裁量に任されますので、施設ごとにサービスの提供や運営方法に違いがあります。
《入居者の条件》60歳以上の方または要介護・要支援認定を受けている方及びその同居者(配偶者・60歳以上の親族または要介護・要支援認定を受けている親族)
■住宅型と介護付き有料老人ホームの種類と内容
「特定施設入居者生活介護」の認定を受けて、施設から介護保険サービスを提供される介護付有料老人ホーム(最近では介護付きホームと呼ばれるようになっています)と非認定施設を「住宅型有料老人ホーム」と呼んでいます。
両方を併せ持つ『混合型』には100人以上の定員をもつ大きな住居施設があります。「介護付き」には施設にケアマネジャーが配置されケアプランを作成し介護サービスをおこなう地域密着型に分類される介護専用型特定施設(定員29名以下)があります。
「住宅型」では食事と緊急時の対応をおこない、高齢者が暮らしやすいような生活支援等のサービスがついています。
建物が安全基準を満たしていれば広さ、設備に法的な制度はなく、運営する事業者の裁量に任されています。
介護サービスを受けるには、居宅介護支援事業所と契約を行います。介護サービスを利用しながら当該有料老人ホームの居室での生活を継続することができます。また自宅と同じように在宅診療(訪問診療)を受けることもできます。
ほかに比較的健康な方の入居を想定した健康型有料老人ホーム(介護が必要になったら施設を変わらなければなりません)などがあります。
いずれの住居施設も経営は民間が主体となる為、各施設でサービスが異なります。『混合型』には入居一時金(終身利用権)を設定しているところが多いのが特徴です。一括支払いと毎月の家賃に上乗せした分割支払いがあります。数十万円から数千万円が必要です。
有料で体験宿泊が可能な住居施設もあります。ご本人及びご家族が住居施設の見学と確認を行ってください。
■ 鹿児島市で登録されている介護付き有料老人ホーム・住宅型有料老人ホーム(サービス付きを除く)は2016年8月1日126件(2014年日比+134%)入居定員確認中(2014年6月は2,246名)です
60歳以上で自炊などは難しいけど比較的自分で身の回りのことができる方が対象です。厚生労働省所管で老人福祉法に基づき運営されます。運営は社会福祉法人がほとんどです。種類は軽費老人ホームになりますが、ケアハウスはCタイプと呼ばれほかにAタイプ(食事つき)Bタイプ(食事なし)があり少しややこしくなります。さらに介護付き(鹿児島市内は今のところ3件のみ)がありさらに理解しにくくなります。ケアハウスは自宅では食事やお風呂など日常生活に欠かせないものが少々困難になった場合に、食事や介助をしてくれるアパート(マンション?)と考えるとわかりやすいです。市町村からの補助があり収入に応じて入居費用が変わるのも特徴です。そのため住居施設所在地に住所を移さねばなりません。注意しないといけないのは、入浴やトイレは自分でできることを想定していますので、自立が困難な場合、外部に介護ヘルパーを依頼したり、介護度が上がったときに退去しなければならないケースがありますので、しっかりと住居施設に確認する必要があります。住居扱いですから居宅介護サービスも受けられますのでそのあたりも住居施設に確認が必要です。
グループホーム(認知症対応共同生活介護住宅)とは
要介護の認知症の人たちが少人数で共同生活をする住宅です。家庭的な雰囲気の中で入所者がスタッフの協力を受けながら家事をおこなったり、地域の人たちと交流を持ちながら生活が送れるようにします(地域密着型と呼ばれます)。定員9名をワンユニットと呼びます。
基本的に個室ですが洗面台やトイレが共同であったり、一般住宅の改修型や専用の建物などがあります。ただし共同生活が困難と判断されると利用できません。
鹿児島市で登録されている認知症対応共同生活介護住宅(グループホーム)は12月1日現在110件ですグループホーム一覧(鹿児島市ホームページ)
■特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)とは
特別養護老人ホームには従来からあるホームとユニット型指定のホームがあり、解りやすく表現すると、従来型は大部屋、ユニット型は小人数の相部屋か個室になります。ユニット型は料金が高くなりますがこれからの主流のタイプになります。
またこれらには入所の条件があります。『要介護』であることと介護度の重い(点数の高さだそうです)人から入所の順番が決まるという『優先入所』という仕組みがあります。所得による制限は有りませんが、申込時に入所理由とともに家族状況も確認されることがあり、施設に預けなければならない事情(家族での介護ができない、家族がいないなど)も重要な入居判断にされるようです。さらに常時介護が必要であるとか認知症の高齢者が優先されるようです。この入居順位は施設が行政の指針に従って独自に判断をします。入所費用は介護保険サービス費用(介護度で上がる)に食事代と居住費が加えられその3割前後が入所者の負担になります。目安としては7万~8万円弱くらいです。介護度や年収で上下するのも特徴です。そのため一般の年金生活者にとっては有料老人ホームより費用が低額になります。しかし、需要に比べ施設の数が圧倒的に少ないため、どの施設も常時多数の待機人数を抱えています。一つの家族が複数の施設に予約を入れているケース(重複予約)が常習化しています。また入居者募集をする必要がないことから、情報の発信が少なく外部から施設の内容がわかり難いです。待機時間の余裕のない家族にとっては、費用と相談し一般の介護付き有料老人ホームの検討も必要です。当然のことですが常時介護が必要な家族を預けることになるため、施設の見学は重要です。ショートスティができるなら利用して様子を確認したいものです。早急に家族の負担や心配を軽減するには自宅とホームの泊りを併用する小規模多機能ホームの利用を検討しても良いかと思います。似たような施設で養護老人ホームというのがありますが、こちらは福祉施設の性格があり、介護度が軽くてかつ経済的に困窮している高齢者を対象にした施設です。